投じる育成から学ぶ「技術」や「戦術」よりも大切な世界のピッチで戦う為の「考え方」

athlete club presents 「プロ選手、プロ予備軍へのプレー分析からわかった“戦術メモリー”の増やし方」』が、7月8日(金)に代官山のシアターサイバードで開催された。 スペインバルセロナのサッカーチームUE CORNELLÀ Juvenil B(U17) 第二監督として活動している坪井健太郎氏とサッカージャーナリストの小澤一郎氏が、「世界基準」、「育成」という視点から両氏が分析した上で、日本人選手が世界のピッチで戦う為にはある”考え方”が必須とのことであった。 その考え方とは何か?それは、日本人にとっては、技術や戦術よりも、重要なスキルでこれがないといくら技術や戦術を追求しても無駄になってしまうとのことである。 では、どうすればそのある”考え方”を身につけることができるのか?を紹介したいと思う。

スポンサーリンク

坪井さんや小澤さんは、普段の監督業やジャーナリスト業の他に所属している(株)アレナトーレでマネジメントしているプロ選手やアマチュア選手のプレーについて、事前に選手へ課題を出した自己分析を軸に、両氏が分析したことをフィードバックしているとのことである。 その手法は、実際の選手のトレーニングや試合の動画だけでなく、ヨーロッパチャンピオンズリーグ(CL)や欧州選手権(EURO)といった世界トップレベル動画と解説を交えて、今の自分の立ち位置と現在の世界基準での立ち位置といった視点でアドバイスをしている。 両氏共通の想いは、日本サッカー界の課題である頭脳を使ってプレーしていない現状を変えるべくスポーツにおける「情報処理能力の強化」を一番の目的としていることであった。 サッカーを通じて局面を論理的に説明するロジカルシンキングの力と瞬間的に適切な判断を選択するために必要な頭の回転速度の強化について、第1部では、小澤氏によるプレー分析術。第2部では坪井氏によるプレー分析した後のフィードバック術のテーマで、育成論について述べていた。 投じる育成

第1部小澤氏によるプレーや戦術の分析術

世界トップレベルの戦術について、試合中の局面を分けることで、理解しやすいように小澤氏の配慮が伺える映像紹介があった。

a:選手のプレー分析について

2015−2016シーズンCL準決勝マンチェスターシティVSレアルマドリード戦での右インサイドハーフのポジションで起用されたレアルマドリードのモドリッチ選手の守備における絶妙なポジション取りについてである。 モドリッチ選手といえばサッカーファンの間では、足技やキックの精度で定評がある選手だが、彼の凄さは、なんといっても「卓越した戦術能力」である。174㎝で65kgの体型は、サッカー選手としては小柄だが、トップレベルで活躍するには、監督の要求する戦術である「プレーモデル」を実践し、チーム内で存在感を出していきチームメイトや監督に認められていくかということである。

b:監督の采配分析について

EURO2016ラウンド16決勝トーナメント1回戦イタリアVSスペインでの両チームの対象的な監督采配についてである。 イタリアは、開始30秒で積極的にプレス掛けてディフェンスをしているが、そのプレスを掛ける位置やタイミングに加えて役割分担が明確で、選手は忠実に実践していた。 イタリアのFWは、2トップが基本であるが、守備の時は、1トップ2シャドーの布陣を敷き、やみくもに1トップがプレスを掛けにいくのではなく、絶妙な位置やタイミングで2シャドーが2人の相手センターバックにプレスを掛けにいくシーンを動画と共に分かりやすく解説を加えて説明していた。 この試合は、序盤だけでなくイタリア代表のコンテ監督は、試合中臨機応変に細かく指示を送り前からプレスを掛けて、試合をダイナミズムに動かすことで、選手個人の実力差では分があるスペイン相手に戦術対応でハメていこうという采配が伺えた。 一方のスペイン代表デルボスケ監督は、静の姿勢でベンチに座っている時間が長く対応が後手に回る采配が印象的であった。 試合は、2対0でイタリアが勝利し、イタリア代表コンテ監督の采配が的中したという結論ではなかった。どちらの監督の采配が良い悪いというよりも世界トップレベルでは、そのような駆け引きが当たり前のように行われていて世界では、サッカートレンドが常に変化していることやそれに対応できる選手や監督が世界基準であるとことであった。 また、試合を普通に見ていただけでは分からない現場の状況や試合の裏側について、小澤氏の解説を通じて世界基準を知ることで、日頃の試合をどのように見ていくかについて、視点の選択肢が増えることでサッカーの楽しみ方がまた一つ増えたと個人的に思った。

C:選手へのフィードバックについて

スペインサッカーについての取材記事が多い印象の小澤氏であるが、実は、大学のサッカー部や高校のサッカー部への取材についても精力的に活動しており、世界基準と日本基準のギャップについて現場レベルで精通しており、選手の分析やフィードバックへの説得力を強く感じた。 また、選手へのフィードバックで一番心掛けていることは、チームへの批判的な現場介入が目的ではなく、「チームの戦術やプレーモデルを理解した上で、どのようにプレーしていくかを選手にアドバイスし選手を客観的に分析することで選手を助けて成長してもらう」ことであった。

まとめ

サッカー含めて日頃の生活から今起こっている現象をすばやく情報処理してそれを論理的に説明できる力が重要で、それが選手の成長につながり仮にプロ選手にはなれなかったとしても、他の世界で活躍できる人材を世の中に送りたいという「育成のエッセンス」を深く知ることができました。 次回は、坪井さんのフィードバック術について、紹介したいと思います。

この記事を書いた人

baychan

「スポーツを通じて世界とつながる」ことや「自分を知る旅」という自分へのミッションを軸に、フットサル、サッカー、サイクリングなどのスポーツと関わる時間を増やすことで、豊かなライフスタイルを送ることを目標に気になることについて書いています。

現在は、東京都を拠点として、各種文献、データ、数値を分析してスポーツの楽しみ方を追求し日々勉強中。
~主な経歴~
<2010年~2013年3月>
Fリーグのフウガドールすみだのコンセプト「キリカエ0秒」や新感覚ディフェンス理論「枝D」内田淳二師範主催のクリニック「なめくり」で3年間指導受け大人でも上達するFootballにおける個人戦術の基本をゼロから学び2013年4月一時卒業。
<2015年1月>
ブラジルサンパウロ州公認フットサル指導者ライセンス取得
<2015年9月>
スペインサッカー協会公認サッカー指導者ライセンスモニトール取得
<2015年10月>
枝D学園所属 背番号21
<2015年12月>
日本スポーツアナリスト協会所属

お問い合わせ

[contact-form-7 id="522" title="コンタクトフォーム 1"]