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投じる育成から学ぶ世界のピッチで戦うために必要な「再現性」の追求

投じる育成から学ぶ世界のピッチで戦うために必要な「再現性」の追求

「athlete club イベント『16年シーズンのプレー分析から新たにわかったこと』」が12月6日(火)に開催された。

イベントの構成は、第1部が、欧州の強豪ドイツとスペインの下部リーグ事情について、第2部が指導者視点からのアプローチ方法と若手Jリーグ選手のビフォーアフター変化の2部構成であった。

第1部の欧州下部リーグ事情については、小澤一郎氏が担当し、第2部のプレー分析による指導者視点からのアプローチ方法とそれを活用した若手Jリーグ選手のビフォーアフター変化の事例については、坪井健太郎氏が担当した。

今回のイベントは、「投じる育成」が2015年12月に開設後1周年記念のイベントであったが、小澤氏と坪井氏による説明だけでなく、参加者から活発な質疑応答があり育成における熱い想いが伝わるイベントであった。

イベント構成の順番は逆になるが、まずは、坪井氏による指導者視点からのアプローチ方法と選手のビフォーアフターの変化について、紹介したいと思う。

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指導者視点からのアプローチ方法について

スポーツにおける指導者のアプローチについては、以下3つの要素を刺激していくことが必要だ。
V(Visual)・・・視覚
A(Auditory)・・・聴覚(論理性)
K(Kinestic)・・・感覚

この考え方は、コミニケーションについて体系化したNLPの理論の一つでVAK理論と呼ばれている。
坪井氏の解説では、Auditoryを論理性と置き換えていた。

Kinestic(感覚)あってこそのプロアスリート

プロのアスリート選手として活躍するには、まず最初に感覚が優れていることが大前提で、ボールを動かす技術などのコーディネション能力が不可欠

多くのプロアスリートが欠けていること

日本では、感覚だけでプレーしている選手が大半で、育成年代で身につけるべき視覚や論理が刺激されていないことが多い。その結果、自分のパフォーマンスについて言語化できず指導者と選手との間でコミニケーション不足になってしまい実力が発揮できていない現状がある

再現性を追求していくことが選手が成長する秘訣

プロのアスリートとして活躍していくためには、自分で「できること」と「できないこと」をきちんと判断することが重要である。その前提で、自分は「何」ができるのかを表現し、また、できないことについては、「なぜ」できないかを言葉で理解し、改善していくことが必要である。
この作業をプロレベルできちんと実践している代表的なアスリートは、メジャーリーガーのイチロー選手である。

指導者視点からのアプローチのステップ

情報共有と情報交換の重要性

感覚+論理を強化して可視化(視覚)を高めていくことが大切

映像を活用し、すぐに現象化を実践

一つ一つのプレーを現象化し、考察していくことで、論理性が身につきプレーの再現性が向上する

一時的ではなく継続的に情報共有

自分がレベルアップすると、相手も対策を練ってくるので、段階的に自分のプレーの引き出しを増やしていくと共にプレーレベルも高めていく必要がある

選手へのアプローチ実践例

若手J1選手についてのフィードバック例
得意なポジション:左右MF
チームのプレーモデル:ポゼッションスタイル

選手へのアプローチのステップ

1.指導者による課題事項の整理
2.課題事項の動画視聴
3.抽象的漠然とした問い (どう?他)
4.主観的に選手からのフィードバック
「良い」・「悪い」、「なぜ、このプレーを選択したか?」など判断基準の整理をして自分のプレーを論理的に振り返る
5.客観的に指導者からのフィードバック
感覚で反応していたプレーか? 論理で理解して対応していたプレーか?を認識し、原因分析をしながらプレーの再現性をフィードバックしていく

事例1右ウイングバック出場

課題:ポジショニング、深さをとるタイミング
改善:【個人パフォーマンスの向上】
   ①前を向いて前進
   ②プレーの連続性
成果:【チームでのプレーモデル変化】
①コンビネーションで突破の意識の気づき
②クロスボールを上げる回数増

事例2FW1トップ出場

課題:マークの外し方やマークを外すタイミング
特にDFの背後を狙いマークを外す動き
改善:【個人パフォーマンスの向上】
①自分が走るコース取り
相手の背後について、どのコースをとって裏をとるのかを判断する。それは、DFの視界があるコース取りであったか? それともDFの視界から消えるコース取りであったか?
②走る前のスタートポジションをどの位置にとるか
成果:【チームでのプレーモデル変化】
①カウンター攻撃からのチャンス増える
②背後へのスルーパス増える
③①②を相手に意識させると中盤にスペースが増える
応用:【個人パフォーマンスの向上】&【チームでのプレーモデル変化】
①誰からパスが来るか?
②誰と組むか?

まとめ

坪井氏のコーチングによる約1ヶ月程度のビフォーアフター動画であったが、短期間で驚くほどプレーの精度が上がっていた。
また、この選手含めてだが、J1という日本のトップレベルで出場している選手でも感覚優位でプレーしている選手が多く、論理的にプレーできていないという点で日本のサッカーは、世界基準から遅れている現状がある。

Jリーグ創設から23年が経つが、日本サッカー界の停滞感を変えていく為には、一つ一つプレーにおけるディテールを大切にして、サッカーを感覚ではなく論理的に追求していくことが必要だと僕は思う。その積み重ねが、5年後や10年後に育成の成果として日本サッカー界の輝く未来につながるのではないだろうか?

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